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「とにかく、顔を洗いなさい」
陽子はただうなずいた。のろのろと顔を洗って手足を洗う。手は赤黒く汚れていたが、洗うとすぐにもとの色をとりもどした。
陽子は今になって、手足が重く強《こわ》ばっているのに気がついた。おそらくはジョウユウのせいだろう。陽子の能力を超えた動きを何度もしたせいで、あちこちの筋肉が硬直してしまっている。
できるだけゆっくりと手足を洗うと、細かい傷に水がしみた。髪を梳《す》こうとして、うしろでひとつにまとめて三つ編みにしていたのをほどいた。異変に気づいたのはそのときだった。
「……なに、これ」
陽子はまじまじと自分の髪を見る。
陽子の髪は赤い。特に毛先は脱色したような色になってしまっていた。──しかし。
三つ編みをほどいた髪はかすかに波打っている。その髪の色。
この異常な色はどうだろう。
それは、赤だった。血糊《ちのり》を染めつけたように、深い深い紅に変色している。赤毛という言葉があるが、この色がとうてい赤毛と呼べるとは思えなかった。ありえない色だ。こんな異常な。
それは陽子を震えさせた。自分が獣になる夢の中でみた、赤い毛並みの色にあまりにもよく似ていた。
「どうしたんだね?」
老婆が聞いてくるのに、髪の色が変だ、と訴えた。老婆は陽子の言葉に顔をかたむける。
「どうしたんだい? べつになにも変じゃないよ。珍しいけれどきれいな赤だよ」
老婆が言うのに首をふって、陽子は制服のポケットの中を探った。手鏡を引っ張り出す。そうして、間違いなく真紅に変色した自分の髪を確認し、ついでそこにいる他人を見つけた。
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陽子には一瞬、それがどういう意味なのかわからなかった。手をあげておそるおそる顔をなで、その動きにつれて鏡のなかの人物の手も動いて、それが自分なのだとわかって愕然《がくぜん》とした。
──これはあたしの顔じゃない。
髪の色が変わって雰囲気が変わっていることを差し引いても、これは他人の顔だった。その顔の美醜《びしゅう》はこの際たいした問題ではない。問題は明らかに他人の顔になっている自分、日に焼けたような肌と、深い緑色に変色した瞳だった。
「これ、あたしじゃない」
狼狽《ろうばい》して叫んだ陽子に、老婆はけげんそうな顔をした。
「なんだって?」
「こんなの、あたしじゃない!」
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