訪日外国人が増える中、4月は桜の名所にも多くの外国人観光客が訪れている。
现在正值访日的外国人数量增加的时期,4月份各赏樱胜地都迎来了很多外国游客的到访。
ところが、よく問題になるのが花見のマナーだ。中国大使館(東京都)は今年、急増する中国人の観光客向けに初めて日本での花見に関する「注意事項」を発表。「他人の領地に踏み入らない」「樹を揺らして花びらを落とそうとしない」など、異例の注意喚起を行った。中国では2、3年前から、日本への旅行で花見を楽しむのがトレンドになっているといい、奈良市の「ホテルフジタ奈良」などを運営する「藤田観光」(東京都)はマナーや楽しみ方をわかりやすく解説した英語と中国語のリーフレットを作成。外国人観光客からは「わかりやすい」と好評の一方で、「ゴミを持ち帰るのは大変」といった声も聞かれた。
不过,这里又要提到时常成为焦点的赏花礼节问题了。中国大使馆(东京都)今年面向激增的中国游客,首次对于他们在日本赏花一事发表了“注意事项”。“游客不得踏入‘他人’的领地”、“ 禁止摇晃树干使花瓣纷纷落下”等,对这些异例进行了强调。可以说中国从2、3年前就有了赴日旅行、享受赏花乐趣的流行趋势,奈良市的“奈良藤田酒店”运营的“藤田观光”(东京都)用英语和中文两种语言做了礼节讲解,并且也有通俗易懂地讲解赏花乐趣的宣传册。这一行为一方面得到了游客的赞赏之声:“很容易理解”,也有听到“垃圾带回家很麻烦”的声音。
日本への「桜ツアー」がブーム
赴日的“樱花之旅”成为热潮
中国共産党機関紙「人民日報」のニュースサイト「人民網」は平成26年4月、「『桜ツアー』が流行し始めている」との記事を掲載。爆買いや通常の観光だけでなく、春は各地で花見を楽しむ中国人旅行者が増えていることを伝えている。
中国共产党的机关报纸《人民日报》的官方网站“人民网”于平成26年4月登载了一篇名为“‘樱花之旅’的流行开始蔓延”的文章。不同于是中国人来日爆买、或是普通的观光,文章强调了春天去日本各地享受赏花乐趣的中国游客有所增加。
中国で訪日旅行を多く手掛けるオンライン旅行サイト「Ctrip」(上海)はこの季節、6泊7日で大阪、京都、奈良、東京を巡るパックツアーを「花見旅行」と銘打ち販売。訪問先には大阪城公園や京都・嵐山、奈良公園など、桜の名所がずらりと並んでいる。
我们在中国一个承办了很多访日游客手续的在线旅游网站“Ctrip”(上海)上发现,这个季节主打大阪、京都、奈良、东京的6晚7日包价“赏花线路”。旅游的目的地有大阪城公园、京都的岚山、奈良公园等,排列出的都是些赏樱胜地。
だが、昨シーズンは「桜の枝を折る」「トイレで用を足さない」「ゴミをポイ捨てする」といった迷惑行為が指摘され、中国人観光客を迎えた地域や自治体がその対処に追われたケースも目立った。こうした事態を受け、中国大使館は今年の花見シーズンを前にした3月24日、「花見に関する注意事項」を日本を訪れる中国人向けに発表した。
不过,去年旅游旺季的时候,迎来大批中国游客的地区及自治体指出中国游客不文雅的行为,“折断樱花的树枝”、“随地大小便”、“随手乱丢垃圾”等,对于此现象的对策方案也引起了瞩目。中国大使馆接受了这样的事态发展,并于今年赏花旺季到来之前的3月24日,面向访日的中国人发表了“有关赏樱花的注意事项”。
そこでは日本の花見文化を紹介したうえで、「旅行客は他人の『領地』に踏み入らないこと」「日本人のように楽しみたいなら、適切な場所にシートを敷き、大声で騒がないこと」など、マナー順守を強調。他にも「桜の枝を折ったり、樹を揺らして花びらを落とそうとしない」、「写真撮影は現地の法律に従い、私有地などに立ち入らないこと」、「ゴミは指定の場所に捨てるか、持ち帰ること」と、細部にわたって注意を呼びかけている。
在注意事项中,在介绍了日本赏花文化的基础上,强调了需要遵守的礼节:“游客不得踏入‘他人’的领地”、“如果想如同日本人一样赏花的话,请在适当的地方铺上餐布,请不要大声喧哗”等。其他还有“禁止折断樱花的树枝、禁止摇晃树干使花瓣纷纷落下”、“拍摄照片请依据日本当地的法律,禁止出入私有地”、“垃圾需丢入指定的场所,否则请带回家中”,直到非常细节的地反都提醒在提醒人们注意。
「日本人は中国の桜を羨ましがり、花見文化を持ち帰った」
“日本人钦羡中国的樱文化,将它引入自己国家”
そんな中国で、最近喧伝(けんでん)されているのが「花見の起源は中国」説だ。中国桜花産業協会(広東省広州市)のサイトでは、「桜は中国のヒマラヤ山脈を原産とし、その後長江流域や台湾地区に伝わった」と、原産地であることを強調。さらに「唐代には諸国の使者が訪れる中、日本人は中国の桜植樹や観賞の文化を羨ましがり、茶道や剣道の文化とともに日本に花見の文化を持ち帰った」と記している。
最近在中国争论得比较厉害的是“赏花源于中国”的说法。在中国樱花产业协会(广东省广州市)的官方网站上,有一篇文章记载了中国为樱花的原产地:“樱花原产于中国喜马拉雅山脉,随后通过长江流域传到台湾地区”。然后“唐代正值很多国家的使者登堂拜访之际,日本人钦羡中国的樱花树以及赏花的文化,将赏花的文化与茶道、剑道等文化一起带回了日本。”
起源説でにぎやかなもう一つの国は、韓国だ。韓国メディアはソメイヨシノの原産地が韓国の済州島で、花見も韓国の文化だと主張。これが日韓のネットユーザー間で激論となっている。
对于起源说讨论地沸沸扬扬的还有一个国家,韩国。韩国的媒体称染井吉野樱的原产地为韩国的济州岛,主张赏樱属于韩国的文化。这一论调引起了日韩网络用户间的激论。
日本の花見は豊作祈願の行事や、奈良時代の貴族が中国から伝来した梅を観賞して歌を詠んだ「花見」が起源-との説がある。「日本後紀」には嵯峨天皇が弘仁3(812)年に神泉苑で「花宴の節」を催したとあり、これが確認できる花見の最初の記録とみられ、その歴史は古い。また、ソメイヨシノは江戸時代に人工交配で作られたもので、韓国の「原産地論」には無理があると言わざるを得ない。
日本关于赏花作为丰收祈福的仪式,以奈良时代的贵族观赏从中国带来的梅花时咏唱了和歌“赏花”为起源,在日本有着这样的说法。在《日本后记》中嵯峨天皇于弘仁3年(812)年在神泉苑召开了“花宴的庆典”,这是能够确认的最早的赏花的记录,这段历史也相当久远了。另外,染井吉野樱是江户时代人工交配的产物,所以韩国的“原产地论”不得不说是无理取闹。
中国では社会問題に
在中国也成为了社会问题
その中国では、訪日旅行者に対し中国大使館がクギを刺したように、花見のトラブルが数年前から問題になっている。
在中国,如同中国大使馆对访日的旅行者百般叮嘱一样,赏花时的小摩擦这几年都是令人头痛的问题。
広大な中国大陸は、寒帯から熱帯まで気候分布も幅広く、大都市を中心に花見の名所は少なくない。上海一の桜の名所ともいわれる「顧村公園」では、「芝生の上でピクニックを楽しむ観光客も少なくない」と、日本に似た花見の様子が地元のニュースサイト「東方網」で報じられている。
在幅员辽阔的中国大陆,从寒带到热带的气候分布也很广泛,以大都市为中心的赏花胜地也不在少数。在上海的一处号称赏樱胜地的“顾村公园”,“不少游客在草地上享受野炊的乐趣”,“东方网”这一当地的新闻媒体报道了与日本赏花模样十分接近的场景。
ただ、「食事後、ゴミ箱が近くにあるのにポイ捨てする」、「樹木を故意に揺らす」といった観光客の行為に、公園関係者が頭を抱えている-というニュースも、3年前から報じられていた。
只不过,媒体从三年前就开始报道:“野炊过后,垃圾箱周围堆满了随手乱扔的垃圾”、“故意摇晃树木”等游客的行为使得公园的相关工作人员头疼不已。
今春も香港紙「明報」が、桜の枝を揺らして花びらの雨を降らせたり、桜の木に登って写真撮影する観光客について報道。中国でも花見の迷惑行為は社会問題として指摘されてはいるが、不届き者は後を絶たない。
今年春天香港的报纸《明报》也针对游人摇晃樱花枝使花瓣如花雨般落下、攀登樱花树拍摄照片等问题进行了报道,并指出在中国赏花的不雅行为也成为了社会问题。没素质的人们络绎不绝。
ただ、中国での花見は日本のスタイルとは少し異なるものもあるようだ。奈良を訪れた河南省のリ・ユエンチーさん(27)は「私の故郷やその周辺では、花見で飲食する人はあまり見かけない。花見酒などは日本独自の文化では」と指摘。香港の教師、デン・インシャンさん(29)も「そもそも、香港には日本のようにたくさん桜がない。花見といえば、写真撮影を楽しむこと」と話した。
只不过,在中国的赏花与日本的赏花方式似乎有些不同。一位来奈良旅行的河南李永琴(27)女士说道:“我的故乡及其周围,很少能见到赏花时饮酒吃饭的人。赏樱酒等是否为日本独特的文化呢?”来自香港的教师邓英山(29)先生也表示:“香港原本就不如日本那样有这么多樱花。说到赏花,也就是享受拍照的过程吧。”
「日本はトイレもゴミ箱も少ない」!?
“日本的厕所和垃圾箱都很少?!”
桜の季節の4月には、多くの観光客が訪れる奈良(26年は約415万人)。「ホテルフジタ奈良」(奈良市)では今春、「花見文化を外国人のお客さまに正しく伝えたい」と、英語と中国語で花見の文化やマナーを説明したリーフレットを配布している。
在樱花盛开的4月,很多游客会来造访的奈良(2014年约415万人)。藤田奈良酒店(奈良市)今春为了“将赏樱文化正确地传达给外国游客”,他们制作了英文、中文的有关赏樱文化、赏樱礼仪的宣传册,分发给游客们。
リーフレットでは、花見を「日本の風物詩」とし、「飲酒禁止でないか確認すること。飲み過ぎ、騒ぎ過ぎに注意すること」「場所取りは必要最小限に」「写真撮影時は桜の枝を引っ張ったり、折ったりしない」「ゴミは持ち帰るか、分別して所定の場所に廃棄する」といったマナーを、イラスト付きで説明。トイレの問題についても、「トイレ以外の場所で用を足さない。トイレットペーパーは持ち帰らない」と明記している。
宣传册上说明赏樱作为“日本的独特风景”,要注意“需提前确认赏樱景点是否允许饮酒,注意不要过度饮酒、不要过度玩闹”“赏樱场所需在最小必须范围内”“拍摄照片的时候禁止拉扯树枝、禁止折断树枝”“垃圾可以自行带走,也可以分类后丢弃至规定场所”等,宣传册上附上了礼仪说明。对于有关厕所的问题说明道:“禁止在卫生间之外的地方随地大小便,厕所的卫生纸禁止带回家。”
リーフレットを見たフランス人のティム・ケリーさん(34)は「なぜその行為が禁止されているのか理由が明記され、イラストもあり分かりやすい」と評価。一方、内モンゴル出身で現在は日本に留学中の苑白露さん(26)は「日本は花見の名所に限らずゴミ箱が少ない。持ち帰らないといけないのは結構大変」と不満顔。
看了这个宣传册的法国人蒂姆・凯利先生(34)评价道:“将为什么禁止这种行为的理由清楚明了地写了进去,还有插图非常简单明了。”另一方面,出身内蒙古出身现在在日本的留学生苑白露女士(26)表达了不满:“日本的各处赏樱胜地的垃圾箱都很少。不得不把垃圾带回家还是很不方便的。”
ただ、花見マナーが問題になるのは外国人だけではない。奈良公園室の担当者は「国によって習慣も違うだろうが、現地のルールに合わせてほしい。日本人も同様で、しっかりマナーを守ってほしい」と話す。実際、記者も枝垂れ桜の名所「氷室神社」(奈良市)で、桜の枝を引っ張って写真撮影する日本人カップルを見かけた。
不过,在赏花礼节上出现问题的并不仅限于外国人。奈良公园的负责人说:“根据国家不同大家的习惯也有所不同,希望大家入乡随俗。日本人也是同样,希望他们能认真遵守礼节。”实际上,记者也在枝繁叶茂的赏樱胜地“冰室神社”(奈良)发现了拉扯着花枝拍摄照片的日本情侣。
担当者は「『一観光客である自分の姿も見られている』という意識を持ち、お互い気持ちよく花見を楽しんでほしい」と話した。
负责人表示:“应该抱着‘身为游客的我的举止也正在被大家看着’的意识,相互之间都抱着美好的心情享受赏花的乐趣。”
(实习编辑:高奕飞)